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Let'snote CF-Rシリーズ

 Let'snote CF-Rシリーズについて。

CF-R6/R8/R9

 パナソニックのLet'snoteにはまったく興味を持っていなかったのだが、職場でデスクトップPCが壊れたときに「とりあえずこれを使っててくれ」と代わりに渡されたのがCF-R6だった。B5版より小さく、1Kgを切る軽さは持って歩くのに都合がよく、出先でパワポのプレゼンをするのに便利だった。いかにも営業マン向けのPCといった感じだ。

 だがCF-R6は熱設計がよくなかった。ULV版のCore DuoのTDPはわずか9Wだが、ファンレスで自然放熱させるには無理がある。メインボードに熱がこもり、筐体左側に出ているRGB端子は触ると火傷しそうなほどに熱くなった。

 それだけならまだしも、過熱はCPUの性能を落とす 1)。Core Duo U2400の動作周波数は1.06GHz(133MHz×8)なのだが、CoreTempで観察していると、100%のロードにもかかわらず800MHzで動作していることがある(133MHzx6)。性能25%ダウンだ。これは動作倍率を下げることで過熱を防ぐTM2 2)という機能が働いていると思われる。さらに、TM1という機能によって CPU Throttling という間欠動作が行われて性能が落ち、実用にならない「もっさり動作」になってしまう。やがて catastrophic shutdown という憂き目に遭う(WindowsUpdateをしている途中で、いつのまにかシャットダウンしていたりする)。

 ネットを検索してみると、CPUのヒートスプレッダのグリスを塗り直したり、冷却ファンを付けたりする改造を施している人がたくさんみつかる。だが会社のPCを勝手に改造するわけにもいかない。やがて新しいデスクトップPCが届いてCF-R6は用済みになったが、Let'snoteが気に入って、後継機の中古を手に入れることにした。

 CF-R9は二万円弱、CF-R8は一万円弱で手に入った。

CF-Rシリーズ比較表

CF-R6 CF-R8 CF-R9
製品リストCF-R6CF-R8CF-R9
PDFCF-R6MC4AXSCF-R8GWLAASCF-R9KWDCDS
説明書個人向け個人向け個人向け
法人向け法人向け法人向け
導入済みドライバーVistaVistaWindows 7 (64bit)
XPXPWindows 7 (32bit)
CPUULV Core Duo U2400ULV Core 2 Duo SU9400ULV Core i7-640UM
1.06 GHz1.40 GHz1.20(2.26) GHz
チップセットMobile 945GMS ExpressMobile GS45 ExpressMobile QM57 Express
メモリPC2-4200 0.5→1.5GBPC2-5300 2.0→4.0GBPC3-6400 2.0→6.0GB
LAN100BASE-TX1000BASE-T1000BASE-T
WiFi-WiFi Link 5100Centrino® Advanced-N 6200
802.11a/b/g/n ※1 802.11a/b/g/n ※1
発売日2007/12009/52009/5

※1: どちらも802.11aはW52/W53/W56(J52はサポートしていない)。インテル wi-fi アダプタでサポートされている機能の詳細によると、5100がmimo 1×2、6200がmimo 2×2という違いがあるぐらい。どちらも最大300Mbps。

CF-R8とR9どちらを選ぶか

 CF-R8とCF-R9を比べると、性能の違いよりも価格差が大きいと感じる。R9はRシリーズの最終モデルなので人気があるのだろう。CPUのパフォーマンスの違いは約1.4倍だという3)。ベンチマークでも「20~30%高速」という結果が出ている4)。さらに、Turbo BoostHyper-Threadingが使える。この性能差をどう捉えるかは人それぞれだろうが、それほど性能にこだわらないのなら、安価なR8を選んでもいいのではないだろうか。

Let'snoteシリーズ雑感

 初めてLet'snoteシリーズを入手して使ってみた印象は、想定するユーザーの技術レベルが決して高くないことだ。パナソニックの人が「大多数のお客様は、無線LANのつなぎかたすらわからない状況で、問い合わせの件数を見ても、無線LANがつながらないという単純な問い合わせが非常に多い」5)と発言しているように、大半のユーザーはパソコンに詳しくない層のようだ。だからこそ高付加価値・高価格のブランドを維持できているのだと思われる。
 なぜなら、技術スキルの高い人間はコストにも敏感で、自分で問題を解決して安価に済ませたいと考えるからだ。IBMのThinkPadはあっという間に価格競争に飲み込まれ、Lenovoに身売りせざるを得なくなった。それとは対照的に、Let'snoteは事業継続を可能にする顧客層をしっかりつかんでいる。

CF-R6

 プリインストールはXP/Vista。手元に来たときにはWindows 7がインストールされていた。メモリは標準で512MBだったので、自腹でメモリを増設した。PC2-4200(DDR2 533)なのだが、SO-DIMMではなくμDIMMである。しかも1GBしか増設できないので、最大1.5GBにしかならない。Windows 10をインストールしてみると、動作はするのだが、ハードディスクの遅さも相まって、もっさり感はぬぐえない。コアの温度がTjMax(=100℃)すれすれまで上昇し、倍率低下とスロットリングで動作が遅くなってさらにもっさりになってしまう。結局Windows 10は諦めて、Windows 7をインストールし直した。コア温度は80℃から90℃台前半を行ったり来たりするようになった。

ドライバー類

 Windows 7用のドライバー類はCF-R9に使ったものをインストールした(64bit用を除く)。ただし、AMTドライバーはインストールしていない。

SSD交換

 R6もSSDに交換することにした。使ったのは、デスクトップに使っていたTranscend TS64GSSD25S-Mを転用した。プチフリが起きる機種だがやむを得ない。分解と交換はR9と同じ手順だった。

CPUグリスとWiFi

 R6を分解してみると、CPUグリスがカピカピに乾燥していたので、アルコールを使って除去し、新しくCPUグリスを塗り直した。

 R6には無線LANが搭載されていない。そこでR9から外したAdvanced-N 6200を載せてみよう・・と思ったのだが、筐体を分解している途中で、アンテナが搭載されていないことが判明し、諦めることにした。

CF-R8

 プリインストールは7/Vista。メモリは標準で2GB。PC2-5300(DDR2 666)のところをPC2-6400(DDR2 800)の2GBを増設して4GBにした。SSDに換装された状態で入手したので、それ以上手をかけるところがない。Windows 10をクリーンインストールし、Officeを入れて、妻が講演会や出張用に使っている。

ドライバー類

 Windows 10用のドライバー類はCF-R9に使ったものをインストールした。唯一の例外はAMTドライバーで、CF-R8用4.2.0.1020をインストールした。

CF-R9

 CF-R9に移動した。

CF-Rリンク集

let_snote-cf-r.txt · 最終更新: 2019/06/19 01:07 by admin

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