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DG965WH メモリ増設(DDR2 667 vs 800)
メモリは最大8GBだが、DDR2 800だと最大4GB
DG965WHは、DDR2 533/667のDIMMを最大8GBまで搭載できる。DDR2 800も搭載できるが、最大メモリが4GBまでに制限される。これは、マザーボードではなくチップセットの制限によるよるものだ。
Intelのデータシート Intel(R) 965 Express Chipset Family]Datasheet (pdf) のp.28に
Supports 256-Mb, 512-Mb, and 1-Gb technologies for x8 and x16 devices (DDR2 800MHz 1Gb technology not supported)
とある。つまり、DDR2 800の2GBのDIMMはサポートしていないので、1GB×4の4GBが最大ということだ。これはG965だけでなく、965チップセットファミリー全般にあてはまるはずだ。
DDR2 667で8GBか、それともDDR2 800で4GBか
となると、DG965WHの場合、
①搭載量を優先し、DDR2 667の2GB DIMM×4本=8GB
②メモリ速度を優先し、DDR2 800の1GB DIMM×4本=4GB
のどちらを選ぶか悩むことになる。
もっとも、DG965WHを購入した10年前はDDR2メモリの価格が高く、DDR2 800の1GB DIMMを2本購入できただけだった。悩む必要すら無かった。ところが、昨今の中古市場(ヤフオク!)では、①のセットが2千円台、②ならば1千円台で手に入る。どちらを選択するか悩ましいところだ。
実は、手元のボードでは
③サポート外だが、DDR2 800の2GB DIMM×4本=8GB
で動作させている。今のところメモリ起因の障害は起きていないが、インテルがわざわざサポート外と明記している状態で動作をさせるのは落ち着かない。
667 vs 800 速度比較
そこで、①と③の速度比較をしてみることにした。つまりDDR2 667とDDR2 800の速度比較を行った。大して差が無ければ、サポート範囲内のDDR2 667を選べばいいからだ。比較にはPassMarkのPerformanceTestとPrimate LabsのGeekbench 4を使用した。
メモリ | Performance Test | Geek Bench | ||
---|---|---|---|---|
Memory Mark | PassMark Rating | Single Core | Multi Core |
|
DDR2 667 | 862 | 1224 | 1627 | 4339 |
DDR2 800 | 926 (1.07) | 1244 (1.02) | 1655 (1.02) | 4465 (1.03) |
まず①DDR2 667
次いで②DDR 800
667と800では20%のクロックの差となる。Memory Mark全体値では7%の差にとどまっている。
細かく見ていくと、対象がすべてCPUのキャッシュ上にあるMemory Read Cachedはほぼ差が無い。メモリの速度が最も影響する Memory Read Uncached と Memory Writeがそれぞれ13%、11%の差となっている。Memory Threadedでも同様だが、その他の項目には差が見られない。
次いで、メモリ以外の項目に影響はどれぐらいあるのだろうか。
面白いことに2Dと3Dのグラフィックの値にはまったく差が無い。それだけこのベンチマークソフトが優秀とも言える。全体の値は2%の差になった。
一方GeekBenchのほうは、2~3%の差だった。
結論
まとめると、キャッシュヒットしない広範囲なメモリにアクセスしまくるような極めてメモリバウンドなソフトの場合には10%あまりの差が出る可能性があるが、普通のソフトなら2%ぐらいの差にとどまるのではないだろうか。
結論的には、お薦めは
- わずかな性能差も気になる人で32bit OSを使うなら② — DDR2 800 1GB×4 = 4GB
- 64bit OSを使うなら① — DDR2 667 2GBx4 = 8GB
- 定格外動作でも気にせず性能追求する人なら③ — DDR2 800 2GBx4 = 8GB
といったところだろうか。