======Transcend TS64GSSD25S-M====== {{ :ts64gssd25s-m.jpg |TS64GSSD25S-M}}  ジャンクとして、Transcend の TS64GSSD25S-M を購入した。\\  2008年6月の[[http://news.kakaku.com/prdnews/cd=pc/ctcd=0537/id=2991/|発表]]だが、2017年現在もトランセンドジャパンのサイトに[[https://jp.transcend-info.com/Products/No-177|掲載]]されている現行製品だ。\\  トランセンドのサイトでは、[[https://jp.transcend-info.com/supports/special.aspx?no=10|SSD Scope]] というSSDユーティリティが使えると表記されているが、最新のVer 3.4をダウンロードして実行すると、SSDがSATAまたはUSBインターフェースで接続されているか確認して下さい、というエラーをくらってしまう。 {{ :ssdscope43.jpg |SSDがSATAまたはUSBインターフェースで接続されているか確認して下さい}} =====SSD Scopeの旧バージョンを入手=====  古い製品なのでユーティリティのサポート対象から外されてしまったのだろう。ネットで**古いバージョン**を探したところ、 * [[http://transcend-ssd-scope.software.informer.com/versions/|Transcend SSD Scope versions]] (software.informer)  というページを見つけたので、ここからVer2.9をダウンロードしてインストールした。\\ {{ :ssdscope29.png |SSD Scope Ver2.9}}  無事認識した。**NCQ**はサポートされず、**SMART**と**セキュリティ**機能があることが分かる。\\  残念ながら**Trim**コマンドはサポートされていない。古い製品だから仕方ないか。\\ =====ファームウェアのアップデート=====  Firmware Version は V0826 だ。これが08年第26週を意味するなら(7月中旬)、ファームウェアはほぼ初期バージョンということになる。アップデートが入手可能だろうか・・・。\\ {{ :ssdscope-update.png |Firmware Update}}  **アップデートを実行するときにはAHCIモードに切り替えろ**、とある。だが、逆の情報もある(後述)。\\ {{ :ssdscope-warning.png |}}  アップデートによってデータが消えるので、バックアップするように・・・とさらりと書かれている。バージョンダウンはするな。ATAのセキュリティロックやパスワードは解除しておくように、という警告。\\ ====ダウンロードしたファームウェアの内容====  **JMF602 FW upgrade Tool_100415.zip** というファイルがダウンロードされる。内容は、 2003/12/10 08:49 66,090 COMMAND.COM 2010/04/30 18:26 70,190 ISPB.EXE 2010/04/30 18:26 119,424 ISPB.LIB 2010/08/13 15:05 585,216 JMISPInst.exe 2005/07/18 20:58 45,562 KERNEL.SYS 2010/04/30 18:35 895 README.TXT  README.TXT ファイルにこんな記述がある。 > Limitation : This utility only work with SATA ports configured to > "Legacy/Compatility" mode or "Enhanced IDE" mode, "AHCI" mode is not > supported by this tool.  **AHCIモードはサポートしていない。レガシー互換あるいはエンハンスドIDEモードにしておくように**、だそうだ。一方はAHCIモードにしろと言い、他方はAHCIモードにするなと言う。どちらを信用すれば良いのか分からないが、実際にはこれに気がつかずにIDEモードのままアップデートしてしまった。\\
 [[dg965wh]]のBIOS設定は少々分かりにくい。ATA/IDE という項目があり、内容は Native と Legacy が選べるようになっている。ここでNativeを選ぶとさらに Configure SATA as という項目において IDE, RAID, AHCI の選択肢が与えられる、という二段構えの構成になっている。今回は Native + IDE で実行したが、これが通常のBIOSで何を選んだのと同様なのかは不明である。
====JMISPInst.exeが動かない====  おそらく「JMISPInst.exe を使ってUSBメモリに起動イメージを作り、USBメモリからブートしてアップデート」という流れだと予測して、JMISPInst.exe を起動してみたが、 {{ ::jmispinst.png?nolink |JMISPInst.exe}}  Deviceのドロップダウンリストは空のままだ。二本挿してあるUSBメモリを見つけてくれない。やれやれ。しかし、コントロールの配置が間延びしているとか、Deviceが選択されてなくてもStartボタンが押せるとか、ツッコミどころ満載の手抜きアプリですな。 ====FreeDOSのインストール====  まあ、KERNEL.SYSが含まれているということは、これは[[http://www.freedos.org/|FreeDOS]]用だということか。じゃあ、自分でUSBメモリにFreeDOSをインストールしよう。  英語のサイトを読んでUSBメモリにDOSをインストールするのが面倒だ・・・と思っていたら、[[http://forest.watch.impress.co.jp/library/software/rufus/|Rufus]] という便利なソフトを見つけた。ISOイメージファイルをUSBメモリに展開するためのソフトだが、FreeDOSのインストールにも使える。こんな感じの設定で**FreeDOSをインストール**した(USBメモリの内容はすべて消えるので注意)。 {{ :rufus-freedos.png?nolink |RufusでFreeDOSをUSBに}} ====アップデートの実行====  そのUSBに **ISPB.EXE ISPB.LIB** の二つのファイルをコピーして、USBからブートさせる。DOSが起動したら、**ISPB.EXE**を実行。\\ {{ :isbp-exe.jpg?direct |ISPB.EXEの実行}}  **This program will destroy all data in SSD, do you want to continue (Y/N)?** つまり、「このプログラムはSSD内のデータをすべて破壊する」という警告が表示されるが、勇気を持って「Y」を選択する。\\  途中に one file removed. というメッセージが何度も混じっているのが謎だ。実行時にできるログファイル(MO.TXT)には、そのメッセージは混じっていない。 (Apr 30 2010,17:26:32) Flash model=LBG/K9LBG08U0M Flash code=0x1A89 (Ch,Bank,CE,DrvCur)=(8,2,1,2) Part 1 : SATA Part 2 : USB WARNING: drive current not match, det=02 old=03 FW updated count : 0x1 Current firmware version : 080827 New updated firmware version : 100415 Preformating..........................ok Download firmware (C: 1h)......complete ! ISP end...  旧ファームは08年第27週ではなく、08年08月27日だったのね。\\ {{ :ssdscope-newfirm.png?direct |新ファームウェア}}  無事に新ファームウェア 100415 に更新できた。 ====速度比較====  ファームウェアの更新によって速度は向上したのか? SSD Scope の Performance 計測機能を使って比較してみた。まず旧**080827** の結果。\\ {{ :ssdscope-bench-old.png?nolink |}}  ついで、新**100415**\\ {{ ::ssdscope-bench-new.png?nolink |}}  期待に反して、ほとんど変わらない。いやむしろ遅くなってる項目もあるし。orz ^旧**080827**^新**100415**^ |{{ :cdm-old.jpg?nolink |}}|{{ ::cdm-new.jpg?nolink |}}|  CrystalDiskMarkでも計ってみた。結論としては、バージョンアップによる顕著な速度の向上はなかった。  データシートには、Sequential Read が 150MB/s、Sequential Write が 90MB/s とあるから、公称値に近い値は出ているので文句は言えない。 =====JSMonitor=====  [[http://d.hatena.ne.jp/Lansen/20081220/1229794552|JSMonitor]] の結果。\\ {{ ::jsmonitor.png?nolink |JSMonitor}}  **Average Erase Count** が4,895。**Maximu Erase Count** が4,091。MLCのSDDの書き換え寿命の目安が1万回だそうなので、このSSDは寿命のほぼ半分経過しところ、というわけだ。 =====データシート=====  ここで見つけた。\\  http://www.alldatasheet.jp/datasheet-pdf/pdf/330297/TRANSCEND/TS64GSSD25S-M.html  JMF601/602を使ったSSDは「プチフリ」現象を起こすなど評判が悪いが、もう少しこのSSDをいじくり回して楽しむつもりだ。その後のチャレンジは・・・\\ 続きは、[[ssd-secure-erase]]。